2009年4月23日に、最高人民法院は「著名商標(biāo)保護の民事紛爭に関する案件の審理における法律適用の若干問題についての解釈」（以下「著名商標(biāo)司法解釈」という）を公布し、2009年5月1日により執(zhí)行されました。

「著名商標(biāo)司法解釈」には、著名商標(biāo)の概念、適用範(fàn)囲、認(rèn)定要件、立証責(zé)任、保護要求という五つの方面から、人民法院が如何に著名商標(biāo)を認(rèn)定するべきかにつき規(guī)定され、司法実踐における著名商標(biāo)の認(rèn)定および保護からみて、重要な指導(dǎo)意義をもつと考えます。

実は、2009年1月5日に最高人民法院により公布された「著名商標(biāo)認(rèn)定の民事紛爭に関する案件の管轄問題についての通知」、2009年3月30日に最高人民法院により公布された「國家知的財産権戦略の貫徹実施に関する若干問題についての意見」および2009年4月21日に最高人民法院により公布された「目前経済形式の下で知的財産権の審理が大局に従う若干問題についての意見」において、最高人民法院は著名商標(biāo)の認(rèn)定および保護についても規(guī)定しています。また、行政管理機関の動向からみても、國家工商行政管理総局は2009年4月21に「著名商標(biāo)認(rèn)定仕事細(xì)則」を公布し、行政機関の著名商標(biāo)の認(rèn)定手続、要件をも明確にされました。

以下、「著名商標(biāo)司法解釈」を中心に、上記諸司法解釈および行政規(guī)章を參考しながら、我が國の著名商標(biāo)認(rèn)定の新動向につき、若干説明していきます。

（一）「著名商標(biāo)司法解釈」には著名商標(biāo)の概念が明確にされています。

「著名商標(biāo)司法解釈」第一條には、著名商標(biāo)の概念を「本解釈でいう著名商標(biāo)とは、中國において関係する公衆(zhòng)に熟知される商標(biāo)を指す」と規(guī)定されています。

2003年に國家工商行政管理局により公布される「著名商標(biāo)の認(rèn)定および保護に関する規(guī)定」には、著名商標(biāo)の概念を「本規(guī)定でいう著名商標(biāo)とは、中國において関係する公衆(zhòng)に熟知され、かつ比較的高い名聲を有する商標(biāo)をいう」と規(guī)定されています。

「著名商標(biāo)司法解釈」には「比較的高い名聲」を著名商標(biāo)の概念から削除されました。最高人民法院は上記変動につき、以下のような考え方を示してくれました。

商標(biāo)法には著名商標(biāo)の認(rèn)定要素につき規(guī)定されているが、著名商標(biāo)の概念につき規(guī)定されていません。「著名商標(biāo)司法解釈」の條文は我が國の法律執(zhí)行の実踐に基づき、かつ「パリ條約」および「TRIPS協(xié)定」における「well-known　trademark」という概念を參考し、著名商標(biāo)の地域範(fàn)囲、著名度のみにつき規(guī)定しておき、「市場名聲」を著名商標(biāo)の概念に入れていません。しかし、「市場名聲」が一つの著名商標(biāo)の認(rèn)定要素だと考える必要があります。また、「市場名聲」は、「著名商標(biāo)司法解釈」五條一項一號におき、つまり一つの著名商標(biāo)の認(rèn)定要素として規(guī)定された方がもっと合理的な立法形式に相応しいと考えられます。