歐州連合(EU)、國際通貨基金(IMF)、西側主要國の中央銀行が団結して歐州の債務危機に対策を講じたとしても、その効果はまだ観察の必要がある。國際金融危機の影響がまだ完全になくなっていない中、歐州の債務危機、それにより発生した先進國の信用リスク上昇と世界金融市場の新たな動揺は中國経済にどのような影響をもたらすだろうか。
中國にとって、今回の危機による直接的影響は限られているが、間接的影響を甘く見てはいけない。
全體的に見て、中國が保有するギリシャの國債と金融機関の資産は限られている。そのため、ギリシャが債務不履行に陥っても中國への直接的影響は大きくない。當然、ギリシャの債務危機が食い止められず、ポルトガルやスペインなどその他の歐州諸國にも影響が及べば、中國のリスクは必然的に拡大する。
直接的影響より、ギリシャの債務危機が中國にもたらす間接的影響にさらに注意する必要がある。歐州委員會は先日発表した春季経済見通しで、ギリシャの債務危機とユーロ圏諸國の財政悪化がEU経済の回復を脅かす主な要素となると指摘している。EUは中國の最大の輸出市場であり、回復の勢いが衰えたEU経済が今回の債務危機により困難に陥れば、中國の輸出情勢はさらに複雑となる。
債務危機の影響を受け、ユーロの対ドルレートはここ數ヵ月上下を繰り返しながら下落しており、過去1週間で約4.3%下落し、14ヵ月らいの最安値をつけた。ギリシャの債務危機の「副産物」として、ユーロが下落し続けることはユーロ圏諸國の輸出拡大にとっては好材料だが、中國製品の歐州市場での競爭力は低下する。近ごろ、人民元の対ユーロレートは大幅に上昇し、中間値で計算すると、半年で10%以上の上昇となった。これにより、中國の歐州への輸出はより深刻な狀態となっている。
そのほか、歐州経済の見通しが明るくないため、多くの遊休資本が中國などの新興市場に流れ、それにより人民元切り上げ圧力と中國経済の過熱リスクが高まると予想するアナリストもいる。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月12日