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  • 経済大國のリーダーシップを

    人民中國  |  2023-10-11

    経済大國のリーダーシップを。

    タグ:経済

    発信時間:2023-10-11 13:28:04 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

    世界銀行グループMIGA 元長官?國際アジア共同體學會理事 井川紀道=文 

    今年10周年を迎える「一帯一路」はさまざまなプロジェクトを扱っているので、一面的に見てはいけない。重視すべきは「一帯一路」の果たす役割だろう。インフラ投資として、共同建設國の鉄道事業(yè)などの交通インフラを改善した面もあるし、デジタル化などにも貢獻している。

    私にとって非常に印象深かった経験は、中國の當局者や研究者と「一帯一路」について意見交換するときの姿勢だ。こちらが良い話をするともちろん喜ばれるが、問題點を指摘してくれと言われることも少なくない。中國の政策擔當者の中にも虛心坦懐に、良い面も悪い面も聞いて改善していきたいと考える方もおられるのだ。このようにマイナス面も前向きに捉えようとする方々がおられることには、心強さを感じる。


    二つの顔を持つインフラ 

    米國などの西側(cè)諸國からは、「一帯一路」すなわち「債務の罠」だという聲も聞かれるが、いかがなものだろう。

    最初に明確にしなければいけないことは、「一帯一路」は主にインフラプロジェクトを発展させるための協(xié)力であるということだ。

    インフラプロジェクトは経済発展と民生の向上に寄與するとともに、投資が過大になれば、債務の持続性に問題が生じるという二つの顔を持つ。この點については、古くから議論されてきた。西側(cè)の指摘は後者であり、片方だけ見て問題ばかりを列挙するのは、バランスの取れた見方ではなかろう。 

    私は日本の円借款を擔う海外経済協(xié)力基金(OECF:現(xiàn)在はJICAに統(tǒng)合)の総務部長をしていたが、日本の援助はどちらかというと例えばASEAN諸國で橋を作ったり道路を作ったりなど、インフラ重視の傾向にある。それがASEAN諸國の発展につながったといえよう。対して私が所屬していた1998年當時の世界銀行は少々違った考え方で、今後は教育や保健衛(wèi)生が大切と考え、力を入れていた。

    IMF(國際通貨基金)も債務の持続性を強調(diào)し過ぎていて、常に正しいとは限らない。例えば98年に起こったアジア金融危機の際にIMFが出した処方箋にはかなり無理があり、まるで風邪をひいた患者にマラソンをすれば元気になるよと言うようなものだった。その経験から、アジアにおけるIMFの評判は地に落ちた。私が言いたいのはその是非ではなく、IMFや西側(cè)の援助機関のしてきたことが全て完璧というわけでは決してなく、間違いもしてきたということだ。

    一方、インフラ投資を重視する「一帯一路」やアジアインフラ投資銀行(AIIB)について、私はそのポジティブな側(cè)面を評価してきた。

    しかし前述の通りインフラ投資には二面性があるため、「一帯一路」においては過剰債務になって債務の持続性が問題になったり、いわゆる債務の罠を起こしたりしないよう、絶えず注意を払う必要がある。インフラ投資には良い面とともに、行き過ぎれば副作用が出るという認識のもと、絶えず優(yōu)良案件に適正な規(guī)模で投資していくべきだ。


    「北京クラブ」という新しい試みを 

    次の10年に向けて「一帯一路」をさらに発展させるためには、中國がより積極的なリーダーシップを発揮することが必要だ。その柱は三つある。

    一つは債務救済で経済大國としてリーダーシップを発揮してもらうということ。鍵は「パリクラブ」を補完する「北京クラブ」を主宰していくことにある。

    途上國支援の際、歐米や日本は貸した金がずっと返ってこないという問題を長らく経験してきた。今まではフランスの大蔵省が音頭を取って60年以上の慣行で出來上がった、情報をシェアして透明性を持たせ、同一ルールで運営する通稱「パリクラブ」の存在が大きかった。このパリクラブがあることで、國家間の債務問題は非常に管理しやすくなった。私は中國が「債務の罠」を含める債務問題について批判されないようにするためには、例えば債務の回収に困る國がいたら仲介するなどして、積極的かつ能動的に働き掛けるべきだと思う。パリクラブはパリで開催されるものだが、ケースバイケースで北京クラブを開いて取りまとめを図るくらいのリーダーシップを発揮しても良いのではなかろうか。中國もこれだけ経済大國になったのだから、ニューイニシアチブで債務問題への貢獻をする形で、対外アピールを行うことを考えてもいいと思う。

    二點目は開発援助について。日本では1977年に政府開発援助のODA5カ年倍増計畫を出し、すぐに達成された。その後5年ごとの中期計畫を出したことでどんどん膨らみ、一時は世界一になったこともあった。基本的に日本の援助は國益よりも本當に途上國のことを考えてやってきたものだ。

    実は中國の援助擔當者の中にも、そういう方向へ行きたいと思っている人がいる。中國の援助を研究する日本の研究者に聞くと、中國も無償援助を結(jié)構(gòu)行っているという。臺風で被害が起きた國に駆けつけて援助を行うなどしているようだが、それが全く日本では報じられない。中國は開発援助対策問題について、発信方法を見直したほうが良いような気がする。

    日本の場合、仮に國內(nèi)に金がなくても外貨準備が貯まったことによる外國為替特別會計があった。中國も溜まった米?の有効活用を兼ね、援助の特別會計的なものを作れば、國內(nèi)の予算を圧迫しないで済むのではないだろうか。日本の研究者によると、中國にはまだまだ援助を行う余地があるということだった。災害援助などを積極的に行うことで、受益國の信頼を高めていくことが大事だ。

    最後に研究の取り組みについて。「一帯一路」に対する歐米のシンクタンクの批判は全體的なものではないが、中國が真面目にやっているといってもおおむね信用してもらえないのが事実だ。よって、研究機関やシンクタンクが歐米でも日本でもない受益國の視點から、総合的にきちんと研究することが大事だ。セルビアなどはEU內(nèi)の國だから中國との関係も重要だが歐州との関係も重要で、中國にはお世話になりたいがあまり中國一辺倒でも良くないと、多角的視點を持っている。「一帯一路」が成功するには、セルビアのような多角的かつ総合的な視點を持つ人をいかに増やすかにかかっていると言えるだろう。 (聞き手?構(gòu)成=呉文欽)

     

     「人民中國インターネット版」2023年10月11日


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