上海の「McKinnon Hotel」のロビーバーでは、“マンドレイクの根”というカクテルが毎晩200杯売れている。バーの年間売上は500萬元以上。ここで3年続く沒入式演劇「スリープ?ノー?モア」が大ヒットしたおかげだ。

　「スリープ?ノー?モア」がヒットした3年は、沒入體験を味わえるエンタメが流行した3年でもある。統(tǒng)計(jì)によると、中國(guó)の沒入娯楽の7割弱がこの2年で誕生し、何もない狀態(tài)から200件以上に増えた。沒入式の演劇、デジタルアートを使った沒入式の體験ミュージアム、リアリティーショーなど、手法も細(xì)分化されている。“沒入體験”がオフラインのエンタメ消費(fèi)の新たなエンジンとなっているのだ。日本のデジタルアート集団であるチームラボの大ヒット作、“ボーダレス”ミュージアムが上海にオープンし、毎日行列ができている。上海では、有名な沒入式エンタメ「秘密の映畫館：007カジノロワイヤル」が「大世界」で最近始まり、その新しい體験がネットに拡散されている。

　上海戯劇學(xué)院創(chuàng)意學(xué)院の劉志新副院長(zhǎng)が指摘するように、ミュージアムやライブ、商業(yè)空間といったプラットフォームにおける“沒入體験”は、オフラインエンタメを再定義しようとしている。そして“ニュー?テクノロジー?アート”と新しいライフスタイルが重要な文化消費(fèi)品となっている。今後、さらなる商業(yè)的想像力をもたらしそうだ。

伝統(tǒng)娯楽産業(yè)に浸透する“沒入體験”　今後は映畫以上の産業(yè)規(guī)模に

　発表されたばかりの「2019年イギリス沒入體験経済レポート」によると、沒入式のテクノロジー業(yè)界および將來の世界的高成長(zhǎng)分野であるVR（仮想現(xiàn)実）とAR（拡張現(xiàn)実）においてイギリスは、ヨーロッパ最大の市場(chǎng)となっている。有望な沒入式ビジネス関連企業(yè)が1250社あり、それらの企業(yè)価値は計(jì)1600億ドルと見積もられている。世界的にみると、人類の五感を最大化するビジネスは大きな波を形成している。世界の沒入型娯楽産業(yè)は2018年までに45億ドルの市場(chǎng)規(guī)模となっており、452億ドルのテーマパーク産業(yè)を加えれば約500億ドルとなる。これは世界の映畫興行収入の総額である411億ドルを大きく上回る。文化的エンタメ分野では、VR、AR?MR（複合現(xiàn)実）、マルチメディア技術(shù)が広範(fàn)囲で開発?運(yùn)用されており、それらをうまく活用した沒入式商品が資本市場(chǎng)で大いに注目されている。

　劉志新氏は、「沒入體験経済は、ほぼすべての従來型文化的娯楽産業(yè)にも浸透している」と述べる。「沒入式の體験商品は実験とイノベーションのインキュベートを重視する新たな分野だ。大人気となったものはアーティストの先端的実験が基になっている。1つの創(chuàng)意あふれるコンテンツをテクノロジーで表現(xiàn)することで、最終的に大衆(zhòng)消費(fèi)市場(chǎng)へ向かっていく」。

　いま世界で最も人気である沒入式デジタルアート體験ミュージアム、チームラボの“ボーダレス”が、上海に大きな旋風(fēng)を巻き起こした。“ボーダレス”が東京で開催された際は230萬人以上を動(dòng)員したが、これはゴッホ美術(shù)館の1年間の參観者數(shù)さえも上回る。深圳で開催された際には3カ月で7000萬元を稼いだ。チームラボは600人以上の若いアーティスト、プログラマー、エンジニア、CGアニメーター、數(shù)學(xué)者、建築家などから成る。彼らが作る“デジタルワンダーランド”こそ、インスタレーション作品を流行商品にする代表例である。

「中國(guó)網(wǎng)日本語版（チャイナネット）」　2020年1月4日