この計畫を聞いた時から、“今、何故鑑真なのか”と言うのが私の大きな問題意識でした。その事については最後に述べるとして、9日間の日程の僅か2日半しか參加しませんでしたが、幾つもの感激的な事がありましたので、それを最初に取り上げたいと思います。

浙江大學(xué)に於ける學(xué)生交流でのことです。

日本語で、自分達(dá)の狀況や考えを紹介してくれた學(xué)生のスピーチの中に、「私達(dá)は、四川大地震と聖火リレーで、政治に対し関心を持ちました。」と、やや誇らしげに話す場面がありました。正に學(xué)生達(dá)が、今年中國で発生した二つの大事件を敏感且つ素直に受け止めており、その將來的意味は計り知れないほど大きいであろうと感じさせるものです。

中國は、2002年～2005年にかけて、新たな飛躍的発展をしました。その事が日本などでも必ずしも十分に察知されていないだけでなく、中國人自身が良く認(rèn)識出來ていない狀況にあると思って來ました。四川大地震の巨大な災(zāi)害に対し、あれだけの大量の人員、物資、財力、組織力が素早く且つ効果的に動員された事態(tài)は、中國が今や持つに至った國力の大きさを遺憾なく示したものでした。犠牲者への悲痛な思い、救出劇への感動と相俟って、強く実感をもって深く人々の目に印象付けられる事になった訳です。それは、中國の人々が自信を持つと言うだけでなく、今後、その國力がどのように使われるか、或いは使われないのかと言う現(xiàn)実的関心に発展するものと思われます．．．　

「中日経済情報週刊」より2008年10月22日