日中友好協會の會長に就任した、丹羽宇一郎元中國大使は新華社の獨占インタビューに応じた際に、「過去と未來を切り離すことはできない。過去の歴史を無視して描き出した未來の願いが、世界の人々から信頼されることはない。日中両國は、歴史を鑑とし未來を見據えなければならない」と述べた。
丹羽氏は6月18日、加藤紘一前會長に代わり、日中友好協會の會長に就任した。丹羽氏は、「対抗心を持って日中関係を処理しても、両國関係の改善と発展を促進できない。真の日中友好を実現するためには、雙方が心を一つにして協力する必要がある」と指摘した。
丹羽氏は、「日中雙方は歴史認識問題を巡り対立しているが、これは解決できない難題ではない。雙方は相手側の國民の立場になり、日中友好関係の発展の願いに基づき対話を行うべきだ。日本はかつて、中國に多大な迷惑をかけた。侵略という言葉を使うか使わないかに関わらず、実際にそうだった。安倍政権は歴代政府と同様、謝罪すべきことは謝罪し、何度も謝罪すべきことは何度も謝罪し、これを踏まえた上で日中が友好的な発展をいかに計畫するかを検討すべきだ」と話した。
安倍晉三首相が今夏発表を予定している戦後70年首相談話が、どのような歴史観を反映するかが注目を集めている。安倍首相はかつて、談話の中で「未來志向」を重視し、「侵略」や「植民地支配」に觸れないとほのめかした。安倍首相は最近、安倍談話は閣議決定を通さず、「私的見解」として発表されると述べた。
丹羽氏は、「過去と未來を切り離し、歴史を無視して未來ばかりを強調するならば、どんなに美しい未來を描いたとしても、世界の人々から信頼を勝ち取ることはできない。日中の歴史認識問題を巡る対立を解消するため最も重要なのは、日中両國の前の指導者の政治的知恵を學び、日中の4つの政治文書を尊重した上で、文書の精神を著実に貫徹する方法を模索することだ」と指摘した。
丹羽氏は、「両國の前の世代の政治家は、日中友好を実現するため多大な努力をした。日中友好関係は、多くの障害を乗り越えてようやく築かれたものであり、誰にもこの努力を水の泡にする権利はない。日中両國は43年前の日中國交正常化の原點に回帰するべきだ。現時點では解決できない難題については、鄧小平が指摘した通り、係爭を棚上げにし出來ることから取り組むべきだ」と強調した。
日中友好協會は1950年の設立以來、民間交流の促進に盡くしてきた。丹羽氏は、日中両國の國民感情が悪化し、相互の好感度が低くなっている問題について、「日中両國の國民間の印象は、數十年前に留まっている。多くの中國人が日本を訪れ、日本人も中國を訪問するべきだ。日中友好協會は、相互交流の推進力だ」と語った。
丹羽氏はまた、「日中両國は、國內でさまざまな問題に直面している。雙方の國民は相手を見る時に、日中友好を立腳點とするべきだ。1972年に発表された日中共同聲明の精神に基づき、両國の友好的な発展の道を共に計畫するべきだ。民間友好交流によって、國家レベルの関係改善を促進する。これを続ければ、日中友好は近い將來、新たな変化を迎えるだろう」と話した。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2015年7月7日