米學術雑誌「サイエンス」の連名書簡で、新型コロナウイルスの「実験室流出説」の調査を求めた米國人科學者のパメラ?ビョークマン氏とマイケル?ウォロビー氏はこのほど相次いで、自身の行為を深く後悔していると表明した。(文?カナダ在住學者 陶短房)
ビョークマン氏は「この書簡によって、動物宿主からウイルスを見つけるための多くの資金を集められると思っていた」「私は単純すぎたのかもしれない。この書簡が実験室由來という仮説の流布に用いられるとは思わなかった」と述べた。また、「より積極的かつ自発的であるべきだった。この書簡に最初から署名しないか、立場を表明するためより多くの文言の修正を求めるべきだった」と述べた。ビョークマン氏は助手を通じ、「新型コロナウイルスは実験室からではなく、動物から人に感染した可能性が高い」と認め、「新型コロナウイルスの起源解明問題の政治利用」に遺憾の意を表した。
ウォロビー氏は、「実際には動物由來の方が可能性が高いと考えている」と述べた。この公開書簡に署名したことで、「私は実験室流出という仮説を支持していると誤解された」という。
実際に歐米の専門的な學術界、圧倒的多數の科學者と専門家は終始「実験室流出説」に反対するか、躊躇した後に「動物起源説の方を信じている」という立場を明らかにした。
いわゆる「実験室流出説」は、米國の一部の政治家が自國の責任逃れをし、自身の感染対策の不徹底に対する國內外の注目をそらすと同時に、競爭相手にその系統的かつ的を絞りでっち上げたものをぶちまけようとするものだ。當初これらの政治家は「新型コロナウイルスの中國起源説」を目標としていた。最も早く公式発表された市中感染例が中國の武漢であったため、この仮説は一時的に多くの賛同を集めた。しかし彼らはすぐに、新型コロナウイルスが本當に中國起源であるかについては疑わしいとする手がかりが日増しに増え、かつ本當に中國起源であったとしても自然発生したかもしれない國に濡れ衣を著せられないことに気づいた。これは「ドイツ麻疹」や「スペイン風邪」がドイツやスペインのせいではないのと同じだ。
これを鑑み、これらの政治家は今年に入り「中國起源説」のバージョン2である「実験室流出説」の喧伝を開始した。この仮説は一石二鳥で、実に悪どい狙いがある。濡れ衣が定著すれば、新型コロナウイルスの起源が中國で、かつ人工的で人為的なものであるという説が定著し、中國政府は自ずと関連性を否定できなくなる。この濡れ衣はさらに中國が「秘密裏に生物化學兵器」を開発していたと非難できる。巧妙な計算だ。
ところがこの仮説の最大の破綻は、バージョン1よりさらに証拠が少ない點にある。ロビー活動を得意とするこれらの政治家は直ちに特長を十分に発揮し、2回目の調査の気運を高め、「身の潔白を証明したければ調査させろ」という姿勢を示した。結論ありきの論理により、アメとムチを使い分け、一部の科學者と専門家をミスリードし「合唱団」による圧力に加わらせた。前述した連名書簡はその重要部分だ。
ところが科學者は最終的に科學を選ぶ。前述した2人がすでに自身の學術的な意見を公然と示し、「新型コロナウイルスの起源解明問題の政治利用」に不満を表したほか、米國の有名な感染癥専門家、米國立アレルギー感染癥研究所のファウチ所長は5月11日と7月20日に、陰謀論を喧伝する米國のランド?ポール上院議員を痛罵し、その噓を非難した。実際にさまざまな妨害と圧力がなければ、米國の科學界及び専門界はこの非科學的な論調に対してより大きな不満の聲を上げ、聲がより容易に屆いていることだろう。
中國は「身の潔白を証明しろ」という「北米の訴訟ごろ」の論理の詭弁の罠にかからない。「実験室流出説」をでっち上げる政治家と支援者がすべての手を使い盡くしても、無から有を生むことはできず、人々を信頼させる証拠と論証を憶測で作り上げることはできない。反対に、米政府の感染対策の不徹底は自國の人力?物的資源?財力に重大な損失をもたらしたほか、世界各國に大きな被害と災いをもたらした。この狀況下、米國の一部の政治家による「実験室流出説」を利用し他人に責任転嫁しようとする都合のいい計算は、最終的に絵空事に終わるしかない。
米國の複數の専門家による最近の発言は、「すべての人を少しの間騙すことはできる。一部の人をずっと騙すこともできる。しかし、すべての人をずっと騙すことはできない」というリンカーンの明言の正しさを再び証明した。
?中國網日本語版(チャイナネット)?2021年8月5日