米國の情報機関は8月27日、新型コロナウイルスの発生源をめぐる調査報告書の要旨を発表した。それによると、新型コロナウイルスの発生源は特定されず、米國の情報機関は「自然発生説」と「研究所流出説」という2つの見解について結論を出せなかった。また、新型コロナウイルスは生物兵器として作られたものではない上、遺伝子操作されたものとも考えにくいという。それでも報告書は、中國が「世界的な調査を妨害し、情報の共有を拒んでいる」と相変わらず非難している。
米國の情報機関は、バイデン大統領の求め通りに90日以內で新冠ウイルス発生源の調査報告書を完成させたが、中國に罪をなすり付けレッテルを貼るという米國の反中勢力が期待した結論を出せなかった。これに対してバイデン大統領は、「世界中で多くの苦痛と死をもたらしている感染癥の根源を突き止めるために全力を盡くす」「世界は答えを求めており、それを見つけるまで私は休まない」との聲明を発表。中國に対する非難も続けており、「中國政府は當初から國際的な調査員や世界の公衆衛生関係者が情報にアクセスするのを妨げようとしてきた」と主張し、「中國に対して科學のルールやスタンダードを遵守することを求め、感染癥の初期情報やデータ、バイオセキュリティの手順、動物由來の情報を共有することも引き続き働きかけていく」としている。
國際的に著名な醫學専門家24名は今年7月、権威ある醫學誌「ランセット」に共同聲明を発表し、「新型コロナウイルスが中國の研究所から流出したという説を裏付ける科學的証拠はなく、最近の査読研究ではこのウイルスが自然界で進化したものであることが強く示唆された」と主張。米國の學術誌「Cell」に掲載された最近の論文では米國、英國、オーストラリアといった國?地域の科學者21名が、「動物から人間への種を超えた感染が新型コロナウイルスの最も可能性の高い発生源だ」と結論づけ、「初期に確認された新型コロナウイルスの癥例と武漢ウイルスを結びつける証拠はなく、感染癥流行前に研究所が新型コロナウイルスの細胞を保有あるいは研究していたという証拠もない」と指摘した。つまり、新型コロナウイルスの発生源について米國、英國、オーストラリアを含む世界各國の科學者は、研究所からの流出ではなく、自然発生である可能性が高いという結論に達したと言える。
しかし、米國の反中勢力は事実を顧みず、科學を否定し、WHOや各國科學者の研究結果を受け入れずに自分たちだけで新型コロナウイルスの「発生源」を見つけて政治的武器を作り、他國の調査結果を否定して罪をなすり付けようとしている。そのために米國の反中勢力は不定期に同様の報告書を発表し、中國と武漢ウイルス研究所に矛先を向けている。これは是非を入れ替え、白黒を逆転させるようとする動きだ。米國の情報機関による発生源調査報告書を見れば、米國が進める発生源調査の努力は政治的な目的を達成できず、徒労に終わることが分かる。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2021年9月5日