▽「中國でアウトソーシング」、現地ニーズが飛躍へのパワー
ここ數年の中國アウトソーシング産業の急速な発展の原因を分析する場合、國內需要の拡大を無視するわけにはいかない。
軟通動力信息技術有限公司の劉天文董事長(會長、最高経営責任者(CEO)を兼務)は國內需要の重要性について次のように述べた。金融危機の影響を受けながら、軟通は2009年に成長率60%を達成した。成長の主な原因は國內市場にある。過去數年間、業務の主軸は対外需要にあったが、ここ2年ほどの國內市場の力強い伸びを受けて、現在では國內需要と対外需用とが半々を占めるようになっている。
実際、こうした傾向は08年にすでに現れていた。工業情報化部がまとめた関連の報告によると、08年には國內のソフトウエア?情報サービスアウトソーシング産業において、國內業務が占める割合が77.1%に達し、華東地域、華南地域、華北地域という3つの経済圏が主な業務発注元となっていた。
あるアナリストの分析によれば、中國経済の現在の発展段階をみると、工業化と情報化の融合、製造業のグレードアップ?世代交代、サービス業の勃興などを受けて、ソフトウエアやサービスのアウトソーシングニーズが大量に発生し、このことが中國のアウトソーシング産業の飛躍にとって得難いチャンスを提供しているという。
「2009年アウトソーシング産業発展報告」によると、將來の発展期において、中國のソフトウエア?情報サービスアウトソーシングの國內市場が産業全體に占める割合がますます拡大し、発注と受注の奨勵という両面政策に誘導されて、國內市場の潛在力がますます発揮される見込みだ。
「中國でアウトソーシング」とは、中國の巨大な國內需要市場が中國のアウトソーシング企業にとって著実な後ろ盾となるだけでなく、國際アウトソーシング大手の爭奪戦の対象にもなるということを意味する。実際、タタなどのインドの大手がすでに中國に進出しており、競爭の布陣を調え、中國企業とともに市場チャンスを獲得しようと狙っている。
こうしたことを受けて、あるアナリストは、中國は今後、國際ソフトウエアアウトソーシング産業の主戦場の一つになると予測する。
パイオニア的存在の中國のアウトソーシング企業は海外進出にも著手した。世界規模で業務を受注すると同時に、チャンスをとらえて歐米などのアウトソーシング企業を合併買収し、グローバルな布陣を調えようとしている。
マイクロソフトの張亜勤グローバル副総裁は中國アウトソーシング業の発展に信頼を寄せ、「現在、中國のソフトウエアアウトソーシング産業は飛躍的発展という重要な段階にある。自身の発展と迅速な合併買収行為を通じて、今後數年の間に、従業員數が1萬人を超えるアウトソーシングの旗艦的企業が少なくとも5社は誕生するに違いない」と話す。
「人民網日本語版」2010年1月8日