中國人民大學財金學院主催の「回復に向かう世界経済と人民元レート政策シンポジウム」が29日、北京で開かれた。會議で講演した中國の経済學者10人余りが、中米貿易赤字は人民元レートによるものではないとし、人民元が盲目的に切り上げられることになれば、中國の利益は損われ、米國の貿易狀況の改善も難しいばかりか、世界経済の回復にも負の影響をもたらすと発言した。
清華大學経済管理學院の李稲葵教授は「日本はさほど參加せず、韓國は傍観を裝い、歐州は自分の事に忙しい」と指摘し、中國は人民元レートの勝負の主導権をしっかり握り、日本の過去の教訓に學ぶべきだと強調した。レート問題の処理に不備があれば將來一連のトラブルを引き起こし、中國の核心利益に影響しかねない。
國際決済銀行の計算では、05年から08年にかけ、中國の対主要新興市場國およびユーロなど主要通貨レートは15%以上切り上げられた。中米貿易問題は中米間の為替レートだけに釘付けになるのではなく、世界的な問題として捉えなければならない。はっきり言うべきは、中國の対外貿易のうち過半數は加工貿易であるため、人民元の切り上げでより安い原材料を購入できるため、中國の対米貿易黒字は実際は他の通貨が切り上がっていないことを反映しているということだ。中國が他の國のために「濡れ衣」を被っているといえる。
為替レートのやり取りの中で、中國は情報公表の主導権を握り、モラルの高みを占拠すると同時に米國側と積極的に意思疎通をとり、懸念を解消しなければならない。