第3回中日ハイレベル経済対話が28日、北京市で開催されることを受けて、両國の経済協力に対する関心が高まっている。ここ數年來、両國の経済分野での相互依存関係がますます強まり、中國は2007年から日本にとって最大の貿易パートナーとなり、09年は初めて米國を抜いて日本の最大の貿易國となった。日本は中國にとって3番目の貿易パートナーであり、2番目の外資由來國だ。両國経済の相互補完性はますます高まったといえる。國際金融危機は一衣帯水の両アジア大國に、未曾有の打撃と影響を與えた。危機に直面して、両國はともに新しい戦略を打ち出し、構造調整と発展モデルの転換を進めた。危機が両國にもたらしたものは挑戦だけではなく、新たな協力の機會ももたらした。
今年7月1日、日本政府は中國人向け観光ビザ(査証)の発給要件を大幅に緩和した。
ある海外メディアのまとめた統計によると、この月の中國人へのビザ発給件數は前年同月の8倍に達したという。日本の各都道府県の知事や前原誠司國土交通大臣など、日本の各界要人が中國で行った「日本ツアー」キャンペーンはかつてなく力が入ったもので、これは6月に內閣が発表した「新成長戦略」を踏まえた具體的な取り組みだった。新成長戦略は今後の成長戦略として、「グリーン?イノベーションによる環境?エネルギー大國戦略」「ライフ?イノベーションによる健康大國戦略」「アジア経済戦略」「観光立國?地域活性化戦略」を挙げており、いずれの戦略を実現する上でも、中國が深い関わりをもっている。
閉幕したばかりの中國輸入政策解読シンポジウムで発表された次のような情報が、日本企業界に極めて大きな関心を呼び起こした。工業情報化部は年內にも、一連の輸入刺激政策を打ち出す予定で、省エネ?環境保護設備の輸入への補助拡大も含まれる見込み、というものだ。公害対策と省エネの取り組みで豊富な経験を蓄積する日本企業にとって、中國が経済発展モデルの転換を加速させ、第11次五カ年計畫(2006-10年)の省エネ?汚染物質排出削減目標の実現に力を入れるための十大措置を打ち出すことは、巨大なビジネスチャンスになることは間違いない。産業のグレードアップを達成するためには、中國も日本を必要としている。
ポスト金融危機時代にあって、中日両國の経済的依存度は低くなるどころか、かえって増大している。省エネ?環境保護、工業政策の協議、ユビキタスネットワークと電子商取引、物流、金融の監督?管理などの各分野での両國の協力の重要性はますます高まっている。新たな情勢が、両國に世界的?地域的な協力を拡大することを求めている。第一に、國際金融危機は外部市場のニーズを低下させただけでなく、貿易保護主義の臺頭という危険をもたらした。中日の経済成長はいずれも國際市場への依存度が高く、ともに手を取り合って貿易保護主義に反対することが、両國にとってプラスになるだけでなく、世界経済の段階的な好転の情勢を保つ上でもプラスになる。また両國企業はいずれも新興國市場の開拓を重視しており、雙方はそれぞれの優位點によって補い合うことができる。日本企業は技術、営業販売ネットワーク、資金などで優位にあり、中國企業は価格、製品の適用性、生産力などで優位にあり、両國が共同で第三國市場の開発に當たるのが最も適切だ。
注目すべきは、中日経済協力には信頼によって乗り越えるべき一連の難點が存在する、ということだ。日本は先端技術の輸出に厳しい制限を設けており、中國の望む産業のグレードアップとなかなか歩調がそろわない。チャンスはすぐに消えてしまうもので、日本の政治家が「歐米や韓國は中國市場に焦點を定めており、われわれは迷っている場合ではない。日本が技術で先んじていても、機會をつかまえられなければ、中國市場で先制するチャンスをたちどころに失うことになるだろう」と発言したのも、もっともだといえる。
時の流れは速い。2007年4月に溫家寶総理が日本を訪問した際、當時の安倍晉三首相と「中日ハイレベル経済対話」を発足させた。これは両國関係の改善の後に行われた、重大な政策決定の第一號となった。対話は3回目がまもなく開催される。世界経済がようやく安定や回復に向かい始めた今、対話を通じて持続可能な発展を推進するための中日経済協力を模索し、國際金融危機への新戦略をともに練り上げることは、中日両國の経済界にとっての急務であるだけでなく、両國の政治家が果たすべき責任でもあるといえる。
「人民網日本語版」2010年8月27日