文=國際文化會館理事長 明石康
前進(jìn)には対話を繰り返すのみ
今の日中関係は、それほど心配する狀態(tài)ではない。悪い面を見れば改善の余地は大いにあるが、良い面を見れば、非常に心強(qiáng)く、喜ばしい面もある。しかし、良くする必要がある面が多いため、その面での改善に向けて、日中両國がともに、現(xiàn)狀に満足せず、良くしていく努力を一生懸命にすべきだと思う。
例えば、東中國海における緊張した日中関係ひとつとっても、両國は現(xiàn)狀に満足することなく、それぞれの手法について反省すべき點は反省するべきだし、海、空、領(lǐng)土の各問題について、現(xiàn)狀以上に悪くしないための努力が必要である。もちろん過去においても努力がされているが、今一歩先に進(jìn)まないのは非常に殘念なことである。両國の軍事當(dāng)局者の間で危機(jī)をどうすれば管理できるか、お互いの誤解をどう解いていくのかという點に関して、話はある程度まで進(jìn)んではいるが、「あと一歩」が進(jìn)まないために、恐らく日中雙方の當(dāng)局者はイライラしているであろうと推察される。
このような現(xiàn)狀はとても危険である。お互いの誤解やすれ違いが起こらないよう、軍事的な相互認(rèn)識のメカニズムが思わぬ方向に向かわないよう確認(rèn)することが大切である。軍関係者は、海の問題は経験から比較的雙方の行動について理解があるため、それほど深刻な問題はないだろうと言うが、空に関してはいささかの懸念が殘る。高速飛行で行き交う航空機(jī)は、衝突による不幸なアクシデントが起きかねないからである。その可能性が否定できないからこそ、今行き止まりに陥っている危機(jī)管理メカニズムを一刻も早く整理する必要がある。この危機(jī)管理メカニズムについて、中國は日本のみならず米國その他の國ともすでに話し合いを行っているであろう。日中両國の誤解やすれ違いを防ぐためのシステム構(gòu)築に一刻も早く著手し、完成させることが何よりも大切であり、當(dāng)面の問題であると認(rèn)識している。
以上は直近の問題だが、より長いタイムスパンの下でやるべきことも多くある。歴史問題などは好例で、まずはすでに専門家による共同研究が行われていて、前進(jìn)可能な問題から著手すべきである。日中関係の障壁になっている事柄については、自國の方ばかりを向くのではなく、冷靜に相手を見ながらきちんと話し合う必要がある。そして、日本にとって反省すべきこと、二度と繰り返したくないことを踏まえ、相互利益になるような事について、より多くの話し合いを進(jìn)めていくべきである。
その他の懸案事項、例えば経済面の協(xié)力體制については多くの可能性があるし、悪化する地球環(huán)境の問題については、日本はすでに中國に協(xié)力しており、これからも持続していくべきだ。さらに、日中雙方が抱える教育、人口減少、農(nóng)村から都會への人口移動、若い研修生の受け入れ體制などの諸問題についても、対話を進(jìn)めていけば日中関係は必ず良い方向に進(jìn)むことが可能である。各問題を一つひとつ著実に解決していったならば、気が付いた時には両國関係が大きく前進(jìn)していることが実感できるはずだ。
日中関係を支える民間の力
民間の役割は、日中関係だけでなく世界的に認(rèn)められており、これからは政府の役割が小さくなっていく可能性がある。ひとくちに民間と言っても、企業(yè)、學(xué)者、専門家、NGO、婦人団體、青年団體など各立場での役割が異なっており、これらの動きは今後更に大きくなっていくことが期待され、非常に喜ばしいことだ。
特に若い人たちの交流には大きな期待が持てる。去年は日本から中國に3000人以上の若者が招かれたと聞いているが、今後は規(guī)模をさらに大きく、10倍くらいにしても良いのではないか。若者はオープンで、偏見もなく、好奇心も強(qiáng)い。彼らがお互い訪ね合い、門戸を開くことが、両國の相互理解と友情を作り上げる上で重要である。政府間が仲良くすることも本當(dāng)に大切だが、政府関係はともするとわずかな誤解で悪化するため、民間による強(qiáng)固な相互理解を期待したい。
中國は奧の深い文化を持っており、私は學(xué)校で中國文學(xué)、唐詩や論語などを多く學(xué)んだが、今の學(xué)校では殘念ながら中國文化について學(xué)ぶ機(jī)會はあまりないようだ。相互理解を深めるためにも、若い人たちにはより多くの中國文化を?qū)Wぶきっかけをつくってほしい。
ステレオタイプからの脫卻を
「東京—北京フォーラム」は、政府間の交渉や対話ではなく、民間の対話である。國會議員や元閣僚などの政府関係者もいるが、參加者は學(xué)者や研究者、メディア関係者が大多數(shù)で、専門分野に長く従事する研究者たちがお互いの知識、経験、教訓(xùn)を話し合い、各分科會とも非常に密度が濃い內(nèi)容となっている。
例えば経済に関する分科會では、企業(yè)、銀行、金融関係者がおのおのの立場から経済政策についてさまざまな疑問を提起し、答えを求めて活発な議論を行っている。これは企業(yè)人のみならず、傍聴者にとっても非常に有益な內(nèi)容で、メディア分科會においても同様に活発な議論が繰り広げられている。安全保障分科會では軍関係者や軍事問題専門の民間人が、前述の衝突の可能性などについて、満足できる答えを模索している。こうした作業(yè)の積み重ねが必ず相互理解に役立つと私は信じている。
また、「政治外交」、「経済?貿(mào)易」、「メディア」、「安全保障」の各分科會の他に、地方問題、社會問題、人口問題のうちのいくつかを取り上げる分科會を行っている。また全體會議では國全體の問題を話し合っているので、國を代表する人々の話をじっくり聞いてみることも必要であろう。
若者たちにも疑問に思ったことは、自由に質(zhì)問してもらいたい。可能な限りの解答が得られるはずだし、思わぬ解答を得られたことで、相手國に対する新たな理解のきっかけをつかめるかもしれない。
私たちはともすれば、相手國に対するステレオタイプの観點にとらわれがちである。対話を通じ、今まで知らなかった相手國の側(cè)面を知ることは嬉しいサプライズにもなり得るだろう。そんな意外な発見ができるのも、「東京—北京フォーラム」、「北京—東京フォーラム」の大きな価値だと私は考える。
「人民中國」より 2016年9月23日